No.52

注文住宅の内装を決める5つのポイント。おしゃれで実用的に仕上げるコツ

注文住宅を建てる時、楽しみな工程のひとつが内装決めではないでしょうか。

しかし内装は決めなければならないことも多く、全体として調和の取れたインテリアにするのは難しいですよね。そこで今回は、内装を決めるための5つのポイントとおしゃれで実用的に仕上げるコツをご紹介します。

注文住宅の内装は暮らしやすさと印象を左右する

内装とは、建物内部の装飾や仕上げのことで床材や建具だけでなく照明やカーテン、建物に付随する設備にいたるまで、その項目は多岐にわたります。内装は外観のイメージと連動させることが多く、バランスをとって計画をすることが大切です。

内装をどのようなテイストにするかによって、暮らしやすさや家全体の印象が大きく変わります。慎重に検討することが大切です。それでは内装を決めるポイントを、項目ごとに見てみましょう。

【項目別】内装決めのポイントは?

1.床材・建具

数ある項目のなかでも最初に決めるのは床材。木材やシートが一般的で、最近では無垢材などの自然素材に注目が集まっています。

木材は、自然がもたらす温かみが魅力の素材。人工的につくられた合板フローリングが一般的ですが、最近では天然木から切り出した自然のままの無垢フローリングも人気。木そのものが持つ優しい肌触りや快適性が好まれています。

ただ、表面の硬さや価格帯は材質によって幅広くメンテナンスに手間のかかる場合もあります。色は、白やベージュは部屋が明るく見え、ブラウン系は落ち着いた印象を与えます。

床材の材質や色が決まったら、それに合わせてドアや窓などの建具を決めていくとスムーズ。ドアのデザインや取っ手のタイプ、窓のタイプもさまざまな種類があるため、利便性や好みで選んでみてください。

2.クロス(壁紙)

壁や天井に貼って整えるのがクロス(壁紙)です。部屋の内装のなかでも大きな面積を占めるため、慎重に選びましょう。
クロスには、大きく分けて紙製とビニール製の2種類があります。水まわりにはメンテナンスのしやすい紙製のウレタンコートの壁紙をビニール、汚れやすい部屋には防汚性や耐水性のあるビニール製の壁紙を使用するなど、部屋によって変えることも暮らしやすさに繋がります。

床や壁の色に近い色を選ぶと失敗が少なくなるので、迷ったら無難なアイボリー系を選ぶとよいでしょう。インテリアにこだわりたい場合は、壁の一面だけを違う色や柄のクロスにする「アクセントクロス」というアイデアもあります。大胆な色や柄も一面だけならトライしやすいのではないでしょうか。

3.照明

内装に欠かせない項目のひとつが照明です。天井に直付けするシーリングライトや吊り下げるペンダントライトは一般的な照明で、家電量販店などでも購入可能です。ただ「ダウンライト」と呼ばれる埋め込み式の照明は、施工段階から設置する必要があります。

照明の存在感がなくすっきりとしたインテリアになるため取り入れられることも多い照明ですが、早い段階から計画しておく必要があるため、希望する方は打ち合わせでしっかりと伝えておきましょう。

4.ウィンドウトリートメント

部屋のなかで意外に大きな面積を占め、印象を左右するのがウィンドウトリートメント。種類は多岐にわたり、以下のようなものが一般的です。

・カーテン
・横型ブラインド
・縦型ブラインド
・ロールスクリーン
・パネルスクリーン(レールに吊り下げた布地を左右にスライドさせて開閉する)
・プリーツスクリーン(じゃばら状の布や紙製スクリーンをたたみ上げて開閉する)
・ローマンシェード(1枚の布地をたたみ上げて開閉。柄により絵画のようにも見える)

これらはオーダーメイドでつくることもできますが、特殊なデザインの窓枠などを採用している場合はハウスメーカーなどに依頼して専門業者に発注した方がジャストサイズに仕上がる場合もあります。生地や色合いなどはカタログだけではイメージしづらいため、サンプルを取り寄せて選ぶことをおすすめします。

5.水まわり

キッチン、バス、トイレなどの設備「水まわり」は、デザインや好みだけでなく機能性を重視することが暮らしやすさに繋がります。キッチン設備やユニットバスなどは施工を依頼している住宅会社の提携メーカーから選ぶことが多いですが、種類が豊富なので迷ってしまうことも。優先順位を決め予算に合わせて、最適なグレードを選びましょう。

水まわりのなかでも、特に内装に大きく影響するのがキッチン。LDKの間取りでは、家族の居心地のよさにも影響するため動線にも配慮する必要があります。システムキッチンには、I型・U型・L型・アイランド型などがあります。使いやすさと予算、好みなどを総合的に検討し選びたいですね。

おしゃれで実用的な内装に仕上げるコツは?

床の素材選びは慎重に

内装のなかでも大きな面積を占める床材。インテリアのイメージを大きく左右するため、慎重に選びたい素材です。先ほどご紹介したように、フローリングにさまざまな種類があります。木の温もりを感じるフローリングは人気の高い素材。木目や色合いなど樹種にもこだわると素敵な内装に。家全体の床材を統一する必要はなく、リビングやダイニングには無垢材を、水まわりにはシートタイプなど部屋の役割に合わせて取り入れるのもよいでしょう。

インテリアに使う色を3色以内に絞る

内装に使う色は3色以内に絞ると、まとまりのある心地よいインテリアに仕上がります。ベースカラー、メインカラー、アクセントカラーの3種類の取り入れ方は以下のとおりです。

・ベースカラー…部屋全体の70%を占めるカラー。ホワイトやベージュが一般的。
・メインカラー…インテリアの主役となるカラーで、部屋全体の25%程度を占める。ソファやラグなどの家具やカーテンなどに使われる。
・アクセントカラー…インテリアを引き締める、ポイントとなるカラー。部屋全体の5%程度を占める。ビビッドな色も、小物やアートなどをアクセントカラーで取り入れると効果的。

インテリアのテイストを統一する

部屋のインテリアは、テイストを統一するとセンスよく仕上がります。モダンでクールなインテリアがお好みなら、ステンレスキッチンにモノトーン系の色合いで、優しく温かみのあるインテリアがお好みなら、木目の扉を付けたキッチンにアイボリーやベージュ系の色合いでまとめるなど統一感を意識して選んでみてください。自分たちだけでは自信がない場合は、インテリアコーディネーターに相談してみるとアドバイスをもらえます。

空間の凹凸バランスを意識する

部屋をすっきりと整って見せるためには、凹凸バランスを意識することが大切です。壁や天井の凹凸・建具の高さなどをそろえることを考慮してみましょう。窪みに家具をレイアウトしたり照明で照らしたりなど、家具や照明によってバランスを取ることもアイデアのひとつです。

コンセントの場所にも配慮を

暮らしやすく見た目も整った印象にするためには、コンセントの配置にも配慮が必要です。実際に暮らしてみると、「この場所にもっとコンセントがあれば便利だったのに」「この場所にはコンセントは不要だった」など不満が出てくることも少なくありません。特に家電を多く置く予定がある部屋は、どこから電源を確保するのかもイメージしておきましょう。

ポイントをおさえて暮らしやすくおしゃれな内装に

センスよくおしゃれな雰囲気と暮らしやすさを両立するためには、色や素材選びだけでなく機能性にも配慮することが大切です。施工当時のトレンドや希望だけに左右されるのではなく、将来的にもフレキシブルに使いやすい内装を選ぶと失敗が少なくなります。ぜひご参考になさってみてはいかがでしょうか。

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