転職をすると住宅ローンはしばらく組めない?転職に関する住宅ローンのポイントや注意点を解説
転職して収入が増えることを見越し、マイホームの購入を検討している方も少なくないでしょう。
ただ、転職したばかりの人は「住宅ローンを契約できない」という話を聞き、不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
転職したばかりの人が住宅ローンを利用するには、どんな対策を施せば良いのでしょうか。
注意点や審査に通らなかったときの対処法も含め、住宅ローンを上手に活用するためのポイントを解説します。
転職したばかりの人は住宅ローンを利用できない?
結論からいうと、転職したばかりの人でも住宅ローンを利用してマイホームを購入できます。
ただし、金融機関の審査で不利に働く可能性があることは、覚えておきたいところです。
多くの金融機関では、住宅ローン申込者の返済能力を確認するため、「安定した収入があるか」という点も審査基準の一つにしています。
ここでいう「安定した収入がある人」とは、事業を長く続けている人や、同じ会社に長く勤めている人のことです。
そのため、起業や転職したばかりの人は「収入が不安定」とみなされ、審査に影響が出るといわれます。
実際に、多くの金融機関では勤続年数(事業継続年数)を審査項目にしているというデータもあります。
国土交通省が1,000行以上の金融機関に調査した報告書(※)によると、住宅ローンの審査項目に勤続年数を設けている金融機関は、全体の94.5%という結果になっています。
その年数に関して、「1年以上」と答えた金融機関は629行、「2年以上」が58行、「3年以上」が189行だったそうです。
この結果からも、転職して最低でも1年以上、できれば3年以上勤めていることが、審査に通りやすくためのポイントといえるでしょう。
(※)出典:国土交通省住宅局「令和3年度民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」
転職したばかりだと借入可能額が少なくなることがある
上記の結果報告書は、あくまでも「審査項目に勤続年数がある」という内容であり、それを重視するか否かは金融機関によって異なります。
実際のところ、転職したばかりの人でも住宅ローンを契約できた方はたくさんいらっしゃいます。
ただ、注意しなければならないのが、「転職したばかりの人は借入可能額が少なくなる可能性がある」という点です。
住宅ローンの借入可能額を決める要素の一つに、「収入(年収)」があります。
この収入は、前年度の年収で審査されるのが一般的です(過去2~3年分の平均収入で審査する金融機関もあります)。
しかし、転職して1年未満の人は前年度の給与を払っていた会社を辞めているので、前年度の年収は審査に使われません。
その代わり、新しい会社の「見込みの年収(新しい勤務先で発行してもらう「年収見込証明書」など)」を用いて審査されます。
見込みの年収は、毎月の基本給をもとに計算されますが、ここにボーナスは含まれていません。
つまり、実際に得られる年収よりも少なくなってしまうのです。
年収を少なく見積もられると借入可能額も少なくなり、希望する借入額では審査に通らないことも考えられます。
転職して年収がアップする想定の方は、前職で実際に得た年収と比較した上で、マイホームの購入時期を判断することも大切です。
転職後の住宅ローン利用で注意するポイント
このほかにも、転職後に住宅ローンを利用する際には、いくつかの注意点があります。
あらかじめ把握した上で、転職またはマイホーム購入のタイミングを判断しましょう。
必要書類が増える
転職前なら不要なのに、転職後だと提出が求められる書類があることが注意点の一つです。
一例として、「採用通知書(または雇用契約書)」「給与明細書」「年収見込証明書」などを求める金融機関が多いです。
これらは転職先の会社で発行してもらう書類ですが、必ず発行されるものではないため、人事担当の部署などに依頼して発行してもらうなど手間がかかることもあります。
また、入社して間もない方だと年収見込証明書を発行してもらえない会社があるかもしれません。
その場合、給与明細書から金融機関の方で算出してもらえるケースもあります。
ただし、数ヵ月分の給与明細書を求められるのが通例ですから、提出できない場合は金融機関に相談する必要があります。
なお、住宅ローンの申込時に必要な書類は金融機関によって異なりますので、あらかじめ確認した上で準備しましょう。
試用期間中の給与で判断されないように注意
会社によっては、入社してから一定期間を試用期間として基本給が満額払われないところもあります。
この場合、給与明細書で住宅ローンの審査をすると、収入を少なく見積もられ審査に影響が出るおそれがある点も、注意が必要です。
試用期間のある会社に転職した方は、基本給を満額得られるようになって数ヵ月後に申し込んだ方が良いでしょう。
住宅ローンが実行されるまでは転職しない
住宅ローンを申し込んでから実行されるまでの間に転職する場合も、注意が必要です。
住宅ローンは、申込後に事前審査(仮審査)と本審査の二段階で進めるのが一般的ですが、これらの審査中に転職すると審査結果が無効となる場合があり、新しい勤務先の情報で再審査することになります。
審査の期間が長くなるだけでなく、見込みの年収が下がれば審査に通らない可能性も出てきますので、融資が実行されるまでは転職を避けた方が無難です。
審査に通らなかったらどう対処する?
金融機関は、住宅ローンに通らなかった理由について教えてくれません。
ただ、勤続年数が通らなかった理由として明らかな場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
対処法をいくつかお伝えします。
金融機関に相談する
金融機関に転職した理由を説明するなど、相談してみましょう。
転職の理由によっては、再審査が受けられる可能性はあります。
たとえば、スキルアップを目的に同じ業種で転職した方だと、前職の勤続年数を含めて再審査が受けられる場合があります。
実際には、再審査を断られるケースが多いものの、可能性はゼロではないので相談してみる価値はあります。
できれば、住宅ローンを申し込む前に金融機関の窓口で相談しておきたいところです。
ネット銀行を利用する
転職して1年以上経過している方なら、1年未満でも申し込める金融機関で再チャレンジしてみましょう。
とりわけネット銀行では、「勤続6カ月以上が条件」など公表している金融機関もあります。
条件の合うところを探して申し込みましょう。
ただし、ネット銀行は年収などのハードルが高く、勤続年数以外の審査基準が理由で通らない可能性もあります。
フラット35を利用する
比較的に審査基準が厳しくないといわれる「フラット35」に申し込むのも一手です。
フラット35の審査基準には、勤続年数がありません。
基本的には、年齢や返済負担率、建物の要件などの条件を満たしていれば、転職して間もない方でも審査に通る可能性があります。
また、最低1ヵ月分の給与明細書から見込み年収を換算できる点も特徴です。
ただ、ボーナスは年収に含まれませんので、実際の年収より少なくなり、審査に影響することは認識しておきましょう。
勤続1年以上になってから申し込む
勤続年数の審査基準を満たすまで、マイホームの購入時期を先送りにするという方法もあります。
理想の物件を逃す可能性もありますが、先延ばしする間に自己資金を蓄えることで借入額を減らせるというメリットもあります。
住宅ローン返済期間中に転職するときの注意点
住宅ローンの返済が始まってから転職する場合でも、いくつかの注意点があります。
転職前に確認しておきたいポイントもありますので、以下の点は把握しておきましょう。
転職したら金融機関に報告する
住宅ローン契約時に届出した内容に変更がある場合、金融機関へ報告するよう約款などに記載されています。
転職して勤務先が変わったときも報告する必要がありますので、転職後、速やかに届出しましょう。
返済条件の変更を検討する
転職して年収が下がると予測される場合、毎月の住宅ローン返済が家計を圧迫する可能性があります。
収入が減少することが想定されたら、返済条件の変更も検討しましょう。
金融機関の窓口で相談すれば、毎月の返済額の見直しや借り換えなど、負担を抑えるための方法を提案してくれるはずです。
返済が滞ってからでは遅いので、早目に相談することをおすすめします。
確定申告が必要な場合もある
住宅ローン控除の適用期間中に転職される方は、転職先の会社でも年末調整で手続きをすることが可能です。
ただ、転職したタイミングによっては確定申告が必要になることがあります。
たとえば、前職を退職したのが11月で転職先に入社したのが翌年1月だった場合、前職でも転職先でも年末調整の対象にならないため、住宅ローン控除を受けるには確定申告をしなければなりません。
年末年始をまたいで転職される方は、住宅ローン控除の申請を忘れないように行いましょう。
まとめ
転職したばかりの方でも、住宅ローンを利用できます。
ただ、勤続年数を審査項目としている金融機関は多く、借り入れできるところが限られる場合があります。
また、借入可能額が減ったり提出書類が増えたりすることもありますから、転職を検討されている方は、どのような影響があるかを事前に把握しておくことが大切です。
マイホーム購入の時期をずらせるのであれば、転職から数年後に検討するのも一手ですし、転職後に収入が減る見込みの方は家計が安定するまで様子見するのも良いでしょう。
審査に通りやすくするための対策だけでなく、返済計画の見直しを含めて、転職または住宅購入のタイミングを判断しましょう。
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