No.76

二人暮らしに必要な生活費は?平均的な費用や節約術などをまとめました

同棲や結婚などで二人暮らしを始めるとき、「生活費は毎月どれくらい必要なの?」と思われている方もいらっしゃるでしょう。

とりわけ、一人暮らしや両親と一緒に暮らしていた方だと、二人分の生活費はいくら必要なのかをイメージしにくいかもしれません。

ここでは、総務省の家計調査を元に、二人暮らしの平均的な生活費をお伝えするとともに、費用の分担方法や節約のポイントなども一緒に紹介します。

二人暮らしの生活費の平均と内訳はいくら?

まずは、二人暮らし(夫婦のみの世帯)の平均的な生活費(平均消費支出)について、総務省の家計調査から見ていきましょう。

■二人暮らし(夫婦のみの世帯)の平均消費支出

食料 7万64円

住居 1万8,922円

光熱・水道 2万2,356円

家具・家事用品  1万1,293円

被服及び履物 7,145円

保健医療 1万5,641円

交通・通信 3万7,049円

教育 14円

教養娯楽 2万4,323円

その他 5万9,706円(交際費、理美容費など)

合計 26万6,514円

出典:総務省「家計調査 家計収支編 第3-6表(2022年)」

二人暮らしの平均的な家庭の支出額は、毎月約27万円という結果でした。

内訳をみると、食料(食費)や交通・通信、その他に含まれる交際費や理美容費といった費用が多くを占めます。

ちなみに、調査対象者のうち賃貸に住んでいる方の割合は約15%です。

また、持ち家の方は住宅ローンの返済額を含んでいません。

賃貸に住む予定の方は家賃を、住宅ローンの返済がある方は毎月の返済額を、上記の住居費に当てはめて二人暮らしに必要な目安の額を求めましょう。

単身世帯の場合との比較

総務省の家計調査では、一人暮らし(単身世帯)の生活費についても調べています。

その平均支出額は、毎月16万1,753円です(※)。

二人暮らしの平均額と比べると約6割くらいですから、単純に一人暮らしの2倍かかるというわけではなさそうです。

二人暮らしになると、食料をまとめ買いしたり、照明や空調などの電気代を二人で共用したりすることで節約することが可能なため、二人暮らしの方が「お得」といえるでしょう。

(※)出典:総務省「家計調査 家計収支編 第8表(2022年)」

二人暮らしの生活費は最低でもいくら必要?

上述の家計調査は、年代を問わず夫婦二人暮らし家庭の平均を示したものです。

この額を見て「ちょっと高いのでは?」と思われた方が、いらっしゃるかもしれません。

では、二人暮らしで最低限必要な生活費は、いくらになるのでしょうか。

家計調査の内訳から、生活するうえで最低限必要な項目をピックアップして計算しなおしてみましょう。

食料 7万64円

光熱・水道 2万2,356円

家具・家事用品  1万1,293円

保健医療 1万5,641円

合計 11万9,354円

交通費や通信費、娯楽費などを省き、最低でも約12万円は必要です。

ただし、賃貸で暮らす方は家賃を、車を所有されている方は自動車維持費を、この額に追加します。

たとえば、家賃が6万円、自動車の維持費が月2万円なら、合計で月20万円が最低必要額と考えられるでしょう。

とはいえ、スマートフォンなどの通信費を省き、二人でデートする娯楽費もない生活は窮屈でしょうし、将来のことを考えると収入の1割くらいは貯蓄に回したいところです。

無理に節約するくらいなら、収入を増やす方法を考える方が二人のためになるのではないでしょうか。

共働き世帯と片働き世帯の収入と支出

収入を増やすとなれば、夫婦二人で共働きするという方法が考えられます。

家計調査では、夫婦二人暮らしの家庭で「共働き世帯」と「片働き世帯」のそれぞれの収支についても調べています。

共働き世帯 片働き世帯
実収入 61万9,885円 48万5,765円
消費支出 31万5,624円 28万9,234円

出典:総務省「家計調査 家計収支編 第3-11表(2022年)」

収入を比べると、共働き世帯のほうが約13万円も多いことがわかります。

一方で支出を比べると、3万円弱しか差がありません。

片働き世帯の方が「節約志向は強い」というイメージがあるかもしれませんが、それぞれの内訳を見ていくと「共働き世帯のほうが安い項目」も複数あります。

たとえば、食費(食料)。

共働き世帯は7万468円に対し、片働き世帯7万3,553円で、共働き世帯の方が安くなっています。

これは、社食などでランチ代が安くなったり、会食の費用を会社が補助したりといった福利厚生の面で、共働きだと二人とも受けられることが大きいといえます。

また、家具・家事用品の費用も共働き世帯の方が安く、二人とも家で過ごす時間が短いことが費用を抑えられることにつながっていると考えられます。

同棲や共働き世帯の生活費の4つの分担方法

二人暮らしを始めると、「どの費用を、どちらが出すか」を決めておくことが大切です。

では、生活費をどのように分担すれば良いのでしょうか。

ここで、大きく4つのパターンに分けて考えてみます。

収入が多いほうが固定費を多く払う

ここでいう固定費とは、光熱費や保険料、家賃、住宅ローンといった毎月かかる費用のことです。

この費用について、多く稼いでいる方が支払い、残りの生活費は互いに自由に使うというパターンです。

一般的には男性の方が収入は多いため、固定費は男性が払うケースが多く見られます。

固定費のみ折半する

逆に、固定費を折半するというケースも考えられます。

ただ、このパターンは二人の収入に差があると、少ない方に不満が出る可能性があります。

収入がほぼ同じのカップルには、適した分担方法といえるでしょう。

全額を二人で折半する

どちらかが二人の収入を一括で管理し、固定費も、自由に使えるお金も、折半するというパターンです。

主に女性が管理して、男性はお小遣い制にするというケースが多くみられます。

全額一人で支払う

専業主婦(主夫)の家庭であれば、このパターンになるでしょう。

どちらかが高収入で、相手はパートやアルバイトというカップルにも適した方法です。

生活費だけでなく初期費用も分担を

二人暮らしを始める際には、生活費だけでなく、家を借りたり引っ越したりするために必要な「初期費用」も準備しておく必要があります。

仮に、賃貸で二人暮らしを始める場合にかかる初期費用には、「敷金や礼金(敷引・保証料)」「仲介手数料」「火災保険料」といった不動産会社に支払う費用のほか、「引っ越し代」「家具や家電の購入費」などがあります。

合計すると数十万円にもなりますから、どの費用をどちらが負担するかも相談することが大切です。

二人暮らしで実践できる節約術

若いカップルだと、収入の少ない方も多いでしょう。

生活費を少しでも抑えるには、「節約」を意識することが大切です。

具体的にどうすれば良いのか、二人暮らしの節約のポイントをいくつか紹介しましょう。

食事は自炊を多くする

生活費の中で大きなウエイトを占める食費。

これを節約するには、「外食を減らすこと」です。

家で二人きりの食事の時間を増やすことで、食費を大きく減らせます。

外食の多い共働きのカップルなら、休日に作り置きをするなど外食の回数を減らす方法を話し合いましょう。

同じ時間帯に家で過ごす

家で過ごす時間は、できる限り二人一緒にすることで、電気代やガス代といった光熱費を抑えられます。

お風呂の時間は、二人が続けて入ることで追い焚き機能を使う機会を減らせ、ガス代の節約につながります。

スマホは格安キャリアや家族割りで契約する

意外と高くなりがちなスマートフォンなどの通信費。

最近は格安スマートフォンなども登場していますから、こうしたキャリアに乗り換えることで通信費を抑えられます。

結婚しているカップルなら、「家族割」などのプランにするのも、節約のポイントです。

コンビニの利用を少なくする

長時間営業しており何でもそろうコンビニですが、スーパーやディスカウントストアなどと比べて価格が割高なため、節約する上では利用を控えた方が良いでしょう。

お弁当やお総菜の安いスーパーや、日用品が多く揃っている100円ショップが近所にあるなど、割安なお店の多い街を選ぶこともポイントです。

カーシェアを活用する

「マイカーに乗るのは週末くらい」という方なら、カーシェアを活用するのも一手です。

最近は、住宅街にもカーシェアのステーションがありますから、ちょっと車で出かけたいというシーンに重宝します。

マイホームの購入も選択に

賃貸で暮らしているカップルなら、毎月の家賃が大きな支出になっているのではないでしょうか。

一例として、守山市の賃貸物件の相場は1DK~2DKが6.23万円、2LDK~3DKが6.93万円です(アットホーム調べ2023年3月現在)。

これに、駐車場代や管理費、更新費などが別途かかります。

新婚さんや結婚を前提に同棲している方なら、いっそのこと「マイホームの購入」を検討するのも一手です。

「でも、住宅ローンの返済が重荷になりそう…」と、不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。

ただ、毎月の負担額で比べると家賃よりも少なくなるケースが多々あり、生活費の節約につながることもあります。

たとえば、2,000万円の住宅ローンを借り入れた場合、毎月の返済額は6万6,252円で、家賃とそれほど変わりません(金利2%、返済期間35年、元利均等返済の場合)。

しかも、家賃はその物件に住み続ける限り払い続けなければなりませんが、住宅ローンには完済があります。

自分が好きなようにリフォームもできますし、資産としてお子さんに相続することも可能です。

一生住み続けるのであれば、マイホームの購入も新居の選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

二人暮らしの生活費は、お二人の収入やライフスタイル、住む場所などの諸条件で異なります。

何にいくら必要かも人それぞれ違いますから、二人で話し合って価値観を共有することが大切です。

「固定費はどちらが払うか」「お金をかけて良いものは何か」「貯蓄はいくら必要か」など相談しながら、理想を実現できそうな住まいを探しましょう。

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