不動産取得税はいくらかかるのか?不動産所得税の計算方法と軽減方法をわかりやすく説明します2022.6.29 / ColumnMARUSHO Style MAGAZINE

土地や建物などの不動産を購入すると、「不動産取得税」という税金が一度だけ課せられます。

税額は物件によるため一概にはいえませんが、場合によっては数十万円から数百万円になることもあり、あらかじめ準備をしておくことが大切です。

なお、不動産取得税には軽減措置もあります。

 

そこで今回は、税額の計算方法や軽減措置の適用条件を含め、不動産取得税の基本的な情報をまとめて紹介します。

 

 

不動産取得税とは?

 

不動産取得税とは、取得した不動産に対して課せられる税金の一種です。

土地や建物を購入すると、その後しばらくして納税通知書が送られてきます。

 

納税通知書が送付されてくる時期は、地域によって異なります。

なぜなら、不動産取得税は地方税だからです。

納税通知書は都道府県の税事務所から送付されますが、不動産の取得から3ヵ月くらいで届く県もあれば、半年を過ぎてから送られてくる県もあるのです。

 

また、新築物件の場合は、税額を求める上で必要な評価額を設定する必要があり、そのための物件調査の時間も要すことから、入居後1年近くたってから納税通知書が届くケースもあります。

忘れた頃にやってきますから、あらかじめ資金を準備しておき、納税通知書に記載された納付期限までに必ず納めましょう。

 

 

不動産所得税が生じるのはどんなとき?

 

不動産取得税は、物件を購入したときだけでなく贈与や交換などで取得した際にも課せられます。

また、建物に関しても新築や増改築といった工事内容を問わず、生じるものです。

 

物件の種類も問わず、一戸建てやマンション、土地はもちろん、別荘のように普段は居住しない建物でも、アパートなどの投資物件にも、取得した後には必ず課せられます。

田畑や山林、店舗、工場、倉庫なども同じです。

 

ただし、評価額が10万円未満の土地や23万円未満の家屋といった低額の物件には課税されません。

また、取得した理由が「相続」の場合にも不動産取得税は課せられませんが、その代わりに相続税が課せられます。

 

 

不動産取得税の求め方と特例について

 

不動産取得税は、固定資産税評価額に一定の税率をかけて求めます。

税率は、土地も建物も原則4%です。

仮に、土地と建物をあわせた固定資産税評価額が2,000万円の物件の場合、納める税額は80万円にもなります。

 

なお、不動産取得税には時限措置の特例があります。

2024年3月31日までに取得すれば、土地は固定資産税評価額の半額に対して3%、建物は取得者が居住するために購入した家であれば3%に軽減されます。

 

さらに、一定の条件を満たす不動産であれば、軽減措置も使えます。

詳しくは、次の項目で解説しましょう。

 

 

不動産取得税の軽減措置と適用条件

 

不動産取得税には、一定の条件を満たす土地または建物を取得した場合に、固定資産税評価額が減額される軽減措置があります。

この軽減措置によって、不動産取得税を納めなくてもよいケースもありますから、ぜひ覚えておきたいポイントです。

 

軽減措置が適用される条件は、新築と中古とで若干異なりますから、それぞれについて解説します。

 

なお、以下の内容は滋賀県の情報をもとに作成しています。

不動産取得税は地方税ですから都道府県によって若干異なる部分もありますので、必ず管轄の税事務所のホームページで確認するようお願いいたします。

 

新築の適用条件

 

新築の場合、建物と土地にわけて見ていきます。

 

  • 建物の適用条件

新築の建物に関する適用条件は、以下の2点を満たす必要があります。

 

(1)居住用の建物であること(一戸建て、マンション、貸家共同住宅など。ただし、別荘は除く)

(2)住宅の床面積が50m2以上、240m2以下の建物であること(貸家共同住宅は40m2以上240m2以下)

 

この条件を満たす新築の建物であれば、固定資産税評価額から1,200万円の控除が受けられます(適用条件は滋賀県の場合です)。

 

  • 土地の適用条件

土地の適用条件は、以下の(A)(B)いずれかを満たす必要があります。

 

(A)土地の取得後2年以内に建物を新築すること

(B)借地などに建物を新築した場合は、新築から1年以内に土地を取得すること

 

この条件を満たす土地であれば、次のいずれかの高い方が固定資産税評価額から控除されます。

 

(a)4万5,000円

(b)(土地1m2あたりの評価額の50%)×(住宅の床面積×2)×3%

 

中古住宅の場合

 

中古住宅も、建物と土地に分けて見ていきます。

 

  • 建物の適用条件

中古住宅の建物に関する適用条件は、「耐震基準適合既存住宅」であることが前提となります。

1982年以降に建てられた家であれば問題なく適用されますが、1981年以前の建物に関しては新耐震基準を満たす証明が必要です(または、取得日から6ヵ月以内に耐震改修を実施して新耐震基準の適合証明を受ければ適用されます)。

 

その上で、以下の2点を満たす必要があります。

 

(1)取得者が居住するための建物であること(一戸建て、マンションなど。ただし、別荘、貸家共同住宅は除く)

(2)住宅の床面積が50m2以上、240m2以下の建物であること

 

新築と異なり、アパートなどの貸家共同住宅は含まれないことに注意が必要です(滋賀県の場合)。

 

上記の条件を満たす中古住宅であれば、固定資産税評価額から控除額を減額できます。

この控除額は、建築された時期によって異なるため注意が必要です。

 

一例として、1997年4月1日以降に建てられた中古住宅であれば、新築と同じく1,200万円の控除が受けられますが、1989年4月1日~1997年3月31日に建てられた住宅は1,000万円、1985年7月1日~1989年3月31日は450万円と、古くなるほど控除額は低く設定されています。

 

  • 土地の適用条件

土地の適用条件は、以下の(A)(B)いずれかを満たす必要があります。

 

(A)土地の取得後1年以内に、その土地に建つ耐震基準適合既存住宅を取得すること

(B)耐震基準適合既存住宅を取得してから1年以内に、その土地を取得すること

 

回りくどい言い方ですが、基本的には、土地と建物を一緒に購入すれば適用されます。なお、固定資産税評価額の控除については、新築と同じく次のいずれかの高い方が減額されます。

 

(a)4万5,000円

(b)(土地1m2あたりの評価額の50%)×(住宅の床面積×2)×3%

 

 

不動産所得税(軽減措置)の計算方法

 

不動産取得税を求める際は、土地と建物に分けて計算する必要がありますし、軽減措置の内容もそれぞれ異なるため、少々複雑でわかりにくいかもしれません。

ここで、軽減措置を適用した具体例について、不動産所得税がいくらになるかをシミュレーションしてみます。

 

物件概要

 

・床面積が100m2、土地面積が200m2の新築物件を購入

・固定資産税評価額は、建物が1,300万円、土地が700万円

・2024年3月31日までの特例期間内(税率3%)に購入

 

建物の不動産所得税

 

まず、建物は1,200万円を控除した額に税率3%をかけて求めます。

 

【建物の不動産所得税】=(1,300万円-1,200万円)×3% = 3万円

 

土地の不動産所得税

 

次に、土地は固定資産税評価額の半額に対して3%をかけ、先ほど解説した(a)(b)のいずれか高い方を控除します。

 

先に、控除前の額を求めると、700万円×0.5×3%=10.5万円です。

 

つづいて、控除額については、(b)の公式「(土地1㎡あたりの評価額の50%)×(住宅の床面積×2)×3%」を用いて算出します。

 

「土地1m2あたりの評価額の50%」は、700万円÷200m2×0.5=17,500円。

「住宅の床面積×2」は200m2。

これらを(b)の公式にあてはめた控除額は、17,500円×200m2×3%=10.5万円。

 

すなわち、控除後の土地の不動産所得税は以下の通りです。

 

【土地の不動産所得税】=10.5万円-10.5万円=0円

 

このケースでは、土地の不動産所得税はなく、建物分の3万円のみが課せられることになります。

 

なお、軽減措置が適用されなければ、建物分が39万円、土地が10.5万円で、トータル49.5万円ですから、大幅に減税されることがわかるでしょう。

 

 

軽減措置を受けるにはどうすればよい?

 

不動産取得税の軽減措置を受けるには、不動産を取得した日から60日以内に申請する必要があります。

不動産を取得した日は、法務局で「所有権を移転登記した日」です。

住み始めた日ではありませんから、注意しましょう。

 

申請する場所は、管轄の税事務所です。

これも、税務署ではなく、都道府県の税事務所であることに注意が必要です。

ちなみに滋賀県の場合、大津市、草津市、東近江市、長浜市の4ヵ所に県税事務所があります。

 

申請する際には、所定の申請書に必要事項を記入します(滋賀県の場合は「住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の減額・還付申請書」という申請書が県のホームページよりダウンロードできます)。

 

これに加え、「土地と家屋の全部事項証明書」「売買契約書(写し)」「納税通知書(写し)」「取得者の本人確認書類」なども必要です。

1981年以前に建てられた中古住宅の取得者は、新耐震基準を満たす証明書が必要になります。

 

このように、申請に必要な書類は新築と中古で異なりますし、都道府県によっても異なりますので、各都道府県の税事務所で確認してから準備しましょう。

 

 

まとめ

 

固定資産税のように毎年納める税とは異なり、不動産取得税は土地や建物を取得してから一度だけ支払う地方税です。

場合によっては数十万円もの納税通知書が忘れたころに届きますから、慌てないように資金を準備しておくことが大切です。

 

なお、不動産取得税の軽減措置により税額が0円になる方もいらっしゃいます。

その場合は納税通知書が届かないケースもあります。

 

ただし、軽減措置を受けるには管轄の税事務所への申請が必要です。

これを忘れると、数十万円の納税通知書が送られてきますから、不動産を取得したらすみやかに手続きを行いましょう。

 

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