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住宅ローンの借入年数は何年が良い?平均的な返済期間と年齢について解説

住宅ローンには、「返済期間(借入年数)」や「借入時・完済時の年齢」を各金融機関で設定しています。

利用を検討している方は、この期間や年齢を考慮した上で、借入額を決めることが大切です。

では、実際に住宅ローンを利用している方は、返済期間を何年に設定したのでしょうか。

また、何歳で借り入れ、完済時の年齢はいくつにした人が多いのでしょうか。

各種データに基づいて、平均的な借入年数と年齢について解説します。

住宅ローンの完済時年齢には上限がある

住宅ローンの利用条件のひとつに、年齢があります。

一般的には、「借入時の年齢が70歳未満」、「完済時の年齢は80歳未満」としている金融機関が多いです。

完済時の年齢が決まっているため、年齢によっては返済期間も決まるでしょう。

たとえば、借入時の年齢が50歳の人は、返済期間は最長30年になります。

完済時の年齢に上限が設けられている理由として、団体信用生命保険の加入があります。

この保険は、契約者に万一のことがあった際に残債を保険会社が肩代わりしてくれるというものです。

多くの金融機関では団体信用生命保険への加入を義務付けており、「保険に加入できる最高年齢」を「住宅ローンの完済年齢の上限」とするところが多いようです。

住宅ローンを借入できる返済期間

住宅ローンの返済期間にも、上限が設定されています。

通常の住宅ローンの場合、返済期間は最長35年としている金融機関が多いです。

なお、長期優良住宅を取得する場合など一定の条件を満たせば、返済期間を50年に延長できる住宅ローンもあります。

この期間は最長の借入年数ですから、完済時年齢の上限さえ守れば、25年でも30年でも契約者が自由に設定できます。

ただし、借入年数が短くなると毎月の返済額が増える点には注意が必要です。

住宅ローンの平均的な返済期間と年齢

実際に住宅ローンを利用している人は、返済期間を何年に設定している人が多いのでしょうか。

ここでは、国土交通省がまとめた「住宅市場動向調査報告書(令和4年度)」を元に紹介します。

返済期間の平均年数

返済期間の平均年数は、以下の通りです。

・注文住宅:32.8年(土地購入を含む場合は34.5年)

・分譲戸建住宅:32.7年

・中古戸建住宅:28.4年

出典:国土交通省住宅局「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001610299.pdf

住宅取得者の平均年齢

平均年齢は、住宅を初めて取得した世帯主の年齢について、調査されています。こちらも物件の種類別にみていきましょう。

・注文住宅:39.5歳

・分譲戸建住宅:37.5歳

・中古戸建住宅:43.6歳

出典:国土交通省住宅局「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001610299.pdf

これらの数値から完済時の年齢を考えると、70歳くらいに設定している人が多いと考えられます。

ただし、繰り上げ返済を使って返済期間を短くする人も多く、実際は定年(65歳)までに完済する人が多いと推測されます。

住宅ローンの借入年数の決め方

住宅ローンの返済期間を何年にするかで、迷っている方も少なくないでしょう。

ここで、借入年数を決めるときのポイントを、いくつか紹介します。

定年までの年齢で決める

一般的に、住宅ローンは「定年」までに完済する人が多いです。

完済時年齢の上限は80歳であっても、収入が年金だけではローン返済が家計を圧迫しますし、高齢になるほど医療費もかかるため、安定した収入がある定年まで完済する人がほとんどです。

そこで、「定年までの年数=返済期間」と決める方が多くみられます。

65歳が定年とすれば、30歳なら返済期間は35年、35歳なら30年、40歳なら25年という計算です。

なお、年齢の高い人は返済期間が短くなるため、毎月の返済負担が重くなります。

頭金を増やして借入額を減らすなど、無理のない返済プランを計画しましょう。

毎月の返済額から決める

現在の家計支出から、「毎月いくらまでならローンの返済に充てられるか」を試算し、その額で希望する物件が何年で完済できるかをシミュレーションするという方法です。

いま賃貸に住んでいる方なら、その家賃を毎月のローン返済額の目安にしても良いでしょう。

たとえば、毎月10万円を住宅ローンの返済に充てられる場合、借入可能額は次の通りです。

・25年返済:2,442万円

・30年返済:2,818万円

・35年返済:3,163万円

※全期間固定金利1.7%、元利均等方式でシミュレーションしています。

参考:住宅保証機構「借入可能額の試算(返済額より算出)」

https://loan.mamoris.jp/borrowing_repay.asp

仮に、3,000万円を借り入れたい方は、返済期間を30年以上にする必要があります。

なお、マイホームを購入すると固定資産税や火災保険など、賃貸にはないランニングコストがかかります。

このため、毎月のローン返済額は家賃よりもやや少なめにして試算することをおすすめします。

35年で借り入れる

完済時年齢に問題がなければ、とりあえず「35年にする」というのも一手です。

返済期間が長いほど毎月の返済額は抑えられ、家計への負担も軽くなりますし、滞納リスクも下げられます。

余裕ができたら繰り上げ返済を実施して、返済期間を短くすることも可能です。

なお、借入年数が長くなると金利負担が大きくなり、トータルの返済額が増えます。詳しくは、次の章で解説します。

借入年数で総返済額をシミュレーション

返済期間が長くなると、金利負担額も増えてトータルの返済額が増えてしまいます。

返済期間の違いでどれくらいの差額が生じるのかを、シミュレーションしてみましょう。

シミュレーションにあたり、借入条件は以下の通りです。

  • 借入条件

・借入額:3,000万円

・金利:1.7%(全期間固定)

・返済方法:元利均等返済

・ボーナス返済なし

この条件で、返済期間を「20年」「25年」「30年」「35年」にした場合の「トータルの返済額」と「毎月の返済額」を算出した結果が、次の通りです。

20年 25年 30年 35年
トータルの返済額 約3,541万円 約3,685万円 約3,832万円 約3,983万円
毎月の返済額 14万7,539円 12万2,820円 10万6,439円 9万4,822円

参考:住宅保証機構「返済額の試算」

https://loan.mamoris.jp/repayment.asp

トータルの返済額から元金(3,000万円)を引いた金利負担で比べると、返済期間が20年のときは約541万円に対し、25年だと685万円、30年だと約832万円、35年だと約983万円にまで増加してしまいます。

一方で、毎月の返済額は返済期間が長くなるほど安くなるため、家計への負担は軽くなるでしょう。

返済期間を決めるときは、トータルの返済額と毎月の返済額も把握した上で、返済負担が重くならない年数を見極めることも大切です。

まとめ

住宅ローンの返済期間を長く設定すれば、毎月の返済額は減らせますがトータルの返済額が高くなってしまいます。

逆に短く設定すると、トータルの返済額は少なくなりますが毎月の返済額が増えてしまい、場合によっては金融機関の審査に通らない可能性があります。

このバランスを見ながら、借入年数を決めるのもポイントの一つです。

なお、繰り上げ返済を利用すれば返済期間を短くすることも可能です。

契約時はできる限り長く設定して滞納リスクを下げておき、家計に余裕が生まれたら繰り上げ返済で返済期間を短くするのも、合理的な方法でしょう。

借入年数に迷われたら、繰り上げ返済の計画も検討してみてはいかがでしょうか。

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